人間の特性として、同じ刺激を受け続けていると感覚が麻痺してきて、より強い刺激を求めるようになってくるというのがあります。麻薬が良い例です。麻薬の場合は、それを抑制するコントロールがすぐに利かなくなるから危険だというわけ。
より強い刺激を求めるのは麻薬に限らずあらゆる事に言える。
一番顕著なのはテレビ番組。特にバラエティ番組がそうで、昔に比べると内容がどんどん過激になってきている。長年テレビを見続けた人たちには、そのくらいの刺激がないと面白いと感じなくなってきたから。そしてこれはさらに進行していて、法律に抵触する寸前まできていることも。当然ここまでくると、同時にあまりの過激さについていけなくなる人も増えてきて、これがテレビ離れの一因になっている事も考えられる。
そのより過激なものへの欲求が、顕著に現われた事の一つがBrexit、英国のユーロ離脱でしょう。より過激な変化を民衆が求めた結果、勢いで決まってしまった感があります。でも結果があまりに予想外で、Brexitを先導していた当の本人たちも戸惑っているふしもあるくらい。
当然決まってしまった事なので、そのためのアクションを起こしたり離脱の手続きやそのための新しい決め事、日程などを決めないといけないけど、どうなるんだろう。
そして今回のアメリカの大統領選挙。投票日は11月8日。残り3週間を切りましたが、ここでも同様の傾向が現われていると思う。それは言うまでもなく共和党の候補者ドナルド・トランプ氏。
過激な発言で注目を浴びて人気を集め、一気に党の候補者の筆頭になりました。それからさらに過激さに磨きがかかってきたけど、今度はいき過ぎて同じ党内からも反発を招くほどまでになってしまった。
討論会でも最終的には劣勢になり、このまま行くとさすがにトランプ大統領はないと思うけど、結果がでるまではわからない。それこそBrexitのように。
もともと実業家なので、利益を追求する事が目的の行動をとるだろうから、彼が大統領になるとアメリカの経済が復活する可能性はある。国は企業と違うから同じようにはいかないだろうけど改善はすると思う。でもそのために会社経営では不採算部門を切り捨てたりするから、それと同じ事をするだろう。その結果、切り捨てられた部門や人からの反発を招いて政権が混乱するのではないかな。
さらにレーガン大統領がそうであったように、政治で過激な行動は暗殺というリスクも格段に大きくなる。
そしてもっとも大きな反発は他国、特にアメリカに反旗を翻している国々の行動が、それに合わせてさらに過激になるかもしれない。また湾岸戦争のような自体になってくることも考えられる。そうなると軍事産業はまたほくほく。時期的にも、そろそろ戦争をしてお金を稼ぎたい頃だから、トランプ候補がでてきたのは必然かもしれない。